糖鎖のタンデム質量分析スペクトルデータベース(GMDB)
GMDBとは 結合位置や立体化学の違いによる構造的な複雑さのため、糖鎖の構造解析は容易ではありません。質量分析計はプロテオミクスやメタボロミクスでは不可欠の装置として普及していますが、糖鎖構造解析にも極めて有用であることが認識されつつあります。近年、糖鎖のタンデム質量分析により、位置異性や立体異性を含む詳細な糖鎖構造を解析できることが判ってきました。私たちは、構造が明らかにされた多種の糖鎖を集め糖鎖ライブラリーを構築しています。そして、その糖鎖ライブラリーの各糖鎖について多段階タンデム質量分析スペクトルを取得しています。GMDBはこれらをデータベース化したものであり、スペクトルマッチングによる糖鎖構造の推定に役立てることができます。
GMDBの現状 GMDBは現在N-結合型糖鎖、O-結合型糖鎖、糖脂質糖鎖およびこれらの糖鎖の部分構造のMS2、MS3、およびMS4スペクトルを保有しています。O-結合型糖鎖は、アルジトール体として調製し、質量分析スペクトルを測定しています。また、その他のタイプの糖鎖のほとんどはピリジルアミノ(PA)化されています。PAは、HPLCで糖鎖を分離する際の蛍光ラベル化剤として多用されています。 シアル酸含有糖鎖はシアル酸部分のメチルエステル化後、MSnスペクトルを取得しています。なお、すべてのスペクトルは、MALDI-QIT-TOF型質量分析計を使用し、正イオンモードで取得しました。
今後の予定 硫酸基やラクトン化糖鎖を含むさまざまな糖鎖のMSnスペクトルを追加するため、GMDBは不定期に更新する予定です。硫酸化糖鎖のスペクトルは、負イオンモードでも取得する予定です。他に完全メチル化糖鎖のMSnスペクトルなどもGMDBに追加していきます。
謝辞 本研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) から支援を受けました。 本データベースの構築は文部科学省 (MEXT) の支援を受けました。 ネットワークセキュリティ及び WEB アプリケーションセキュリティには産業技術総合研究所先端情報計算センター (TACC) の支援を受けました。
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